■　或る古書店の奇妙な邂逅：再建　■

　



□世界観
都心から少し離れた所に在る、屋敷のような古書店。この店に入れるのは一定の霊力を有する人間のみで、該当する者が店の前を通るとひとりでに門が開かれる。
店内に収められた本の多くには付喪神が宿っており、霊力を有する人間にはその姿が見える。それらの古書全てを扱うたった一人の店主は付喪神に人の姿を与えた存在だと言うが、正体は不明。
付喪神達は、長くこの世に残っている物たちに自然と積もっていく邪気を浄化する役割を担っており、同時に邪気が払われぬまま形を得てしまった「穢れの付喪神」の浄化の為にも動いている。
訪れた人間が古書を購入すれば、宿る付喪神もその人間の元へと移動する。店主は、付喪神と共にその役目を共に担うことの出来る人間を探すため、霊力の強い人間にのみ古書店の入口を開くのだった。


□付喪神
神であるため基本的に性別は無く、各々好きな性別、年齢の形を取っている。性格はその本の作品性、作者の性質、作品の登場人物などから、何かしらの影響を色濃く受けている場合が多い。
また、「穢れの付喪神」と戦う術として先述した影響に基づいた能力を一つ有しており、持ち主の霊力が 近くに有る時のみ発動できる。
人の姿を取れているのは持ち主の霊力のお陰であり、持ち主の霊力が弱まると人の姿を取れなくなる他、浄化の力も弱まる。その為、大抵の付喪神は持ち主を守ることを第一に動く。
「穢れの付喪神」と接触し過ぎると自身にも穢れが蓄積され、侵食されていくが、自身の穢れを払うことは出来ない。他の付喪神の力を頼るか、余程霊力の強い持ち主であれば自身の付喪神に対してのみ穢れを浄化することが出来るかもしれない。穢れに完全に侵食されてしまうと自身もまた「穢れの付喪神」となってしまう為、接触は慎重にしなくてはならない。
穢れを完全に浄化するには「穢れの付喪神」が人の姿を保てなくなるまでに弱体化させ、本人が所持している元の本に付喪神が直接触れなければならない。
人間の負うような物理的な怪我であればそう経たぬ内に治癒出来るが、本体である本が壊される、燃やされる等、形を保てなくなると付喪神は完全に消滅してしまう。


□持ち主
強い霊力を持ち、付喪神が宿る本を手にする事が出来る人間。付喪神は基本的に持ち主の霊力によって姿を保っているため、持ち主の状態が付喪神に強く影響する。
持ち主が離れていても元の本を近くに置いていれば付喪神は姿を保ったまま移動することが出来るが、持ち主と本が一定以上離れると人の姿は消えてしまう。持ち主でなくても本が強い霊力を持つ人間の手にあれば姿を保つ事は可能。
霊力の強いものや場所に強く惹かれる性質があり、古書店以外にも付喪神が多く宿る物を扱う場所には訪れやすい。


□穢れの付喪神
長い間蓄積された穢れが浄化されぬまま姿を得てしまった付喪神。穢れの力をもって人の姿を保っているため、持ち主の霊力に依存しない。
穢れの付喪神は様々な物に対して穢れを侵食させていく性質を持ち、付喪神は穢れの蔓延を防ぐため浄化にあたっている。
穢れの付喪神が浄化されると通常の付喪神としての姿、役割に戻る。逆に言えば、通常の付喪神であっても、穢れに侵食されてしまうと穢れの付喪神となり得るのである。
侵食されている間は大抵理性を失っており、本人の中にある薄暗い部分が全面的に影響した性格となっている事が多い。