「……………行くか」 青年は蚊が鳴くような、ほんの僅かな声を あげた。 その丸まった背中で、一歩ずつ、一歩ずつ。 声の聞こえた方へと、歩んでゆく。 小さな影も、一歩ずつ、一歩ずつ。 青年を追いかけて、歩んでゆく。