百合子 2019-06-08 16:29:05 |
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「………………母上…お体は」
《今日は大丈夫よ、ありがとう》
母親の笑みに安心してか、彼の顔が緩む。
少女も嬉しそうに微笑んでいる。
有沙「それより...どうするんです?ケガレ退治(真剣な表情になって)」
有馬「まぁ、各自にちらばって倒すって感じかなー(笑いながら)」
《東?帰ってんのか?》
座敷部屋の奥から、張りのある若々しい声が
響く。
彼の兄、十六夜 出雲(いざよい いずも)だ。
《帰ってんなら、一緒にケガレでも
退治すっか?》
「…ん」
彼はこくり、と頷く。
《おう。んじゃ、行きますか》
兄は僅かな頷く音を聞いて満足げに微笑み、
部屋からのそりと出てくる。
両の瞳を固く閉ざし、真っ白な着物を
羽織っている。
彼ら兄弟は霧を引き連れ、ケガレの荒野へと…。
有沙「...そんなに強力なケガレが居るんですかねー?婆娑羅くらいの呪力は感じられませんけどねー?(あたりをキョロキョロと見渡して)」
天馬「捜索するしかねぇだろうよ(面倒なのか、顔を顰めながら)」
士門「確かに待っているよりかは、探しに行ったほうが良いだろう(何時もと同じで真面目な回答をして)」
有沙「えー、面倒だなー(ため息をつきながら、ケガレを探しに行く)」
《…東。俺たち以外に人が居るな》
出雲は耳を澄まし、眉間に皺を寄せる。
「………………」
《まあ、支障は無いだろうけど》
青年はこくりと頷く。
有沙「強いケガレの気配しないのに...(そこら辺のケガレを倒しながら文句を言い)」
天馬「知らねぇよ(歩きながら戦いを観戦しており)」
士門「真面目にしろ!(二人を見ながら叱り)」
有沙「ハァ...暇!てか、もう帰っちゃだめなの?(ため息をつきながら)」
士門「ダメだろ(呆れた顔で有沙を見て)」
有沙「だってさー、暇じゃん?(変な理屈を述べ)」
天馬「なんだそれ(少し笑いながら)」
《そんな警戒せんとってぇな。この前は
うちの弟が迷惑掛けたみたいで、ごめんなぁ》
出雲はあくまでも笑顔を崩さず、
温厚な口調で話し掛ける。
「………………………」
東は、ずっと押し黙っている。
有沙「弟...?あ、この前の(少しはてなマークを浮かべるが、直ぐに驚いた顔をして)」
士門「知り合いか?(首を傾げて)」
天馬「さぁな(はぐらかすように笑い)」
有沙「この前、ここら辺であった...人?(青年と共に居た座敷わらしを思い出し、周りをキョロキョロと見渡す)」
《俺はこいつの兄貴で、十六夜 出雲。
目は見えへんけど、他人を視んのは上手いで》
出雲は目を閉ざしたまま微笑む。
「…………………………」
『こんにちは!』
有沙「なる..ほど...?(何故かはてなマークを浮かべて)」
天馬「てか、何でココに居るんだ?(みたらし団子を食べながら)」
士門「十六夜家か...(少し目を伏せて)」
《自分で言うのもなんやけど、俺と弟は結構
強いで?》
くすくすと、悪戯っ子のような表情をする。
「……………………」
『そうです、いずもさまのいうとおりです!
あるじさまたちはつよいんですよ!』
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