ビギナーさん 2019-05-25 19:18:04 |
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ん、俺も大丈夫。あの辺の奴のコロンで鼻はちょっとおかしいけど…
(相手が最後に容赦無く放った、大の男一人を吹っ飛ばす蹴りに、誰かが囃すような口笛を鳴らしたのを遠くに聞きつつ、倒した敵の亡骸を踏み越えて相手の直ぐ傍で立ち止まり。今回ばかりは荒事の興奮よりも怒りが先んじた為か、その元凶が無くなれば些か感情に余裕も生まれ、掛けた言葉への返答に肩の力も抜けて。それから相手からも同じ問いが降り、そこに含まれる剣呑さも己への愛と解釈してほんの少し頬を弛めながら、両腕を軽く広げ、服の綻びさえ敵には許さなかった事を示してみせ。次いで血を拭った袖で今度は鼻を擦っては、もう一方の手に持った警棒で、手足や顔の形も、髪の色も解らなくなる程に滅多打ちにされた状態で転がる骸を差し)
……俺達の、結婚式…
(それも直ぐに興味を失くして腕を下げ、続けてぐるりとチャペル全体を見回した次、此処に至るまでの長い道程を、家族になる最も大事な時を、腥い赤が台無しにした現実に、表情はあっという間に曇って。……憧れ、だったのに。これが己の身を置く世界と理解しながら、けれどもそれを割り切れずに潤む目はすっかり汚れた靴に落とし、ぽつり呟いた未練と共に両手を固く握って)
(婚約の報告を受け、相手の両親への挨拶も済み、招待状も手渡して貰い、いよいよもって迎えた子供の結婚式。今日ばかりは無粋だと護衛も付けず、正装を確と着込んで参列席の最前列に座って、バージンロードに現れた二人の真っ白な姿を、カメラを両手に見守り。…出会ってから十年間、無邪気に懐き、真っ直ぐに己を慕って、苛烈な恩返しで報わんとしてきた愛し子。その彼が生涯の供の隣で凛と背を伸ばして愛を誓う姿に、幼かった子の成長を実感して、芽生えた深い感慨と少しの寂しさに極小さな息を零し。それから一番の盛り上がり、口付けの瞬間を収めんとカメラを構え、しかしそれはあまりにも野暮に過ぎる妨害に阻まれて。その事にすっと感情を冷たく落としながらも、その場の愛し子達の部下に信を置き、席に腰を落ち着けたまま騒動の次第を見届け。刺客の殆どが挙式の主役達に伏せられた後、まだ余韻の残る相手らのやり取りの最後、愛し子が掠れた呟きと共に俯いたのを遠目に認め)
「……ビィ、ノア君。結婚式の続きをしよう。尤も、牧師様はもう居ないから、私が真似事をするだけになるが……」
(掛ける言葉を探す参列者の内から徐に立ち上がり、困惑する守りの壁を抜けて、祭壇へと上り。其処からタキシードの二人に眼差しを送り、穏やかな呼び掛けと共に一つ提案を投げ掛けて。ジョークの軽さを僅かに含んだそれは詫びのようでもあり、慰めのようでもあって、何より親心のようで。少しだけ惑う顔を己へ向け、次いでそのまま相手を窺う愛し子へ、もう一度背を押すように、柔らかに微笑んで祭壇の前を片手で指し示し)
「……それでも良ければ、此方へおいで」
(/でしょうねぇ。それで面食らってきょとんとした受け君が、リビングに行って攻め君にナチュラルに抱き付いて、「何、アイツ今日機嫌悪いの?」っていちゃつきながら訊いてそうですね(笑)ですねぇ。「俺にお仕事させないつもり?」って冗談めかしながら、もう少し後の別日を代案に出してそうです……そしたらその顔と声に思わずムラっとしたロジェが「そんな可愛い顔で罵倒しないでよ、もっかいしたくなっちゃうでしょ」って、リアム君の弱点攻め始めそうですね(笑)ええ…最早罰ゲームしない為の行為自体が罰ゲームみたいになっちゃってそうです(笑)そりゃあ、生涯一大イベントを汚されたようなもんですからねぇ、この場の全員をぼこぼこにしても足りないでしょうとも……ですねぇ。何があってもめげず折れない強さこそ、二人の愛のらしさですから(笑))
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