匿名さん 2019-05-04 12:37:46 |
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そういう事、よく分かってるじゃん。俺の事はそんなに気にかけてくれる事無いからさ、今は目の前だけ頑張ってね。
(冗談めかし言われた言葉にあっさりと頷く。心地良さげに細められた目を見つめながら、その目の先に自分では無く彼の人生の別れ道がそこにある事を示す。これから先彼は自分も通ってきた道、仕事に就くのか大学に進学するのかという岐路に立たされる故、慎重に選んでもらいたく自身の存在よりも勉学に励んでもらいたいと。血まみれの王子様、B級ホラー映画にでもありそうな名前だな、なんて彼の兄との思い出を思い起こさせないように必死に其方に視点を向けて笑を零し「 俺もやだよ、そんな人が迎えに来るの…居てくれるだけで良いんだから。」上手く笑えているだろうか、脳のどの神経を通ってもキザな言葉、落ち着いた声色はアイツに似ていてきっと考えないでおこうという方が間違っているのかもしれない。発した言葉に哀愁の息が掛かっている事にふと気付くと肩を竦めつつも「要くんが居てくるだけで心強いからさ! 」雑に取り繕った言葉を並べつつ微妙な空気を取り除こうとするように大きな口を開けてパンを頬張る。よっぽど好きだったのか_…改めて思い起こすとそうなのかもしれない。唯昔の自分に分かっていたのはこの気持ちがずっと、きっとこれから先も一方通行である事直ぐにあの関係が破綻してしまう事だった。そしてその気持ちを引き摺って仕舞うことも言ってしまえば目に見えた結果だった。彼の言葉にスマホ画面を覗き込むなり幸せそうに並ぶ2人を、寂しそうに微笑みながら 「 いいんじゃない?幸せそうなら_美男美女だし。問題起こさなかったらアイツの中ではアリなんだよ、多分」自分が隣の彼女のように女顔ならチャンスは合ったのだろうか_嫌、過ぎたことは水に流そう。自問自答の末導き出した逃げ道に乗っ取りそう言ってのけるとふぅ、と深呼吸し半ば縋るように彼の手を自身の手と絡めそっと頬に触れさせ「 要くんはそうならないように俺が責任もってみてるから大丈夫だからね 」と冗談めかし目を細めて笑う 。時計を見るなり長く居座ってしまったな、と呟くと立ち上がり会計を済ませてしまうと自然と手を握り車へと歩みをすすめ。)
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