匿名さん 2019-05-04 12:37:46 |
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あぁ、懐かしいな。お前んちに泊まりに行った時とかよく枕元で読み聞かせしてくれて…、そういや読んでるうちにお前の方が先に寝ちまったこともあったよなぁ。
(奥の席へと歩みを進める毎に本棚に並べられた書籍の姿が鮮明になる。目を細めて幼き日に思いを馳せては、傍に寄り添い相手の心地良い声を聴いていたい一心で頻りに読み聞かせをねだっていたことを思い出し、ふ、と吐息混じりの笑みを零して。エスコートされた席に腰を下ろし、マスターに自身のことを紹介されると居住まいを正して軽く会釈をする。カウンターの奥へ戻って行く後ろ姿を眺めつつ、敬人も年を食ったらあんな感じになりそうだ、なんて想像を巡らせ。マスターに自分のことを話したときどんな風に伝えたのだろうかと何となく気になっていた折、相手に手を取られればどきりと鼓動が高鳴るも、鼻歌を歌う相手の姿を見れば微笑ましさが勝り、ご機嫌な様子を眺めながら「へぇ…じゃあ期待しとく。此処のパンにハマって他のが食えなくなったら敬人みたいに通っちまうかもな」なんてゆるりと口端を上げては視線を伏せ、指先で相手の掌の窪みをなぞり、悪戯に指を絡めてみて)
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