恋は時々、痛いけど。/ 一対一

＿＿おう、おはよ。朝は得意な方なんだよ。前は部活の朝練とかあったしな。
(手の平に頬を擦り寄せられれば鼓動が高まり愛しさで胸が締め付けられるような心地がして咄嗟に撫でていた手を離そうとするも、その手が捕らえられてしまえば大人しく温もりを享受することにして、未だ微睡みから抜け切らない相手の姿を微笑ましげに眺めつつ朝の挨拶を。このまま二度寝してしまうんじゃないかと若干の心配はあったものの何とか眠気に打ち勝つまでの一部始終を見届けては、よく起きれたな、と讃える気持ちを込めてポンポンと寝癖の付いた髪を撫で。「あー…アイツ仲間外れにされんの嫌いだから、敬人と二人で出掛けるって言ったらめちゃくちゃ拗ねるだろうな」相手の指差す方、飾られてある写真に目を向ければ懐かしさを感じつつ、兄が地団駄を踏んで悔しがる様を思い浮かべてクツクツと喉を鳴らし。「敬人が俺と楽しんでるところ、いっぱい撮って兄貴に送ってやろうぜ」大きく伸びをし、楽しげに目を細めてはベッドから降りようと相手の身体を跨いで、途中馬乗りのような体勢になりながら「顔洗って着替えて朝メシ食って＿＿だな。先、洗面台使っても良いか？」と問い掛けて)