恋は時々、痛いけど。/ 一対一

敬人が寝相悪かったことなんて今までそんな無かっただろ。……もしかして仕事でストレスとか溜まってんのか？なんなら好きなだけ蹴飛ばして良いぞ？
(大きく深呼吸をしたのちに意を決して部屋の扉を開ける。放り出したままのゲーム機がいつの間に片付けられていることに気付けば相手の甲斐甲斐しさに改めて感心し。ベッドの傍らに歩み寄った折に寝相云々の話を聞けば怪訝そうに眉を潜めるも、暫し思考を巡らせては口元に悪戯っぽい笑みを浮かべ冗談めかし、リフティングするときのような仕草で空を蹴って見せ。「なんてな。まぁ敬人がそーいう気分だっつーなら奥にしとくか」枕が二つ並べられた光景に視線を移せばドクンと心臓が跳ね上がるのを感じつつ、表面上は平静を貫いてベッドの奥へ。促された位置で横向きに寝そべっては枕に肘をつき、相手の方へ瞳を向けながら隣のスペースをぽんぽんと叩き「＿＿ほら、こっち来いよ。朝までたっぷり熟睡させてやる」と緊張を悟られぬよう、余裕ぶった口振りで招き)