恋は時々、痛いけど。/ 一対一

可愛いって何処が＿＿＿あー…、やっぱ言わなくて良い。どーせならカッコイイって言われてぇし、絶っ対ぇ言わす。
(身内の欲目だろ、とか、お前の方が可愛いっつーの、なんて仄かに幼さの滲む笑顔を目にすればそんな言葉が飛び出しかけるも胸の中にそっと仕舞っておき。手の平で頸を摩りつつ常日頃から抱いている願望を口にしては挑戦的な笑みを浮かべ、相手の胸元にトンと拳を突き当てて。元より自分の中ではデートのつもりで相手を誘ったためリードするのは当然だと言わんばかりに胸を張り、腰に手を当て目を細めつつ「仰せの通りに。へばったらちゃんと介抱してやるから安心しとけ」なんて芝居掛かった台詞を交えながら、威勢の良い返答を。相手の承諾を得たことで満足したのか欠伸を一つ零しては「…さて、腹も膨れたし歯ァ磨いて寝ようぜ」と言って部屋から歯ブラシセットを持って来れば洗面台の前で歯を磨き始め。数分後、ガラゴロと口をゆすいでは、いよいよ相手とベッドに入るのか、と内心緊張しつつ部屋へと向かい)