レナード 2019-04-08 22:00:27 |
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(ばさり、ばさり、重たげな羽音が夜気を震わせる。その正体は大型肉食獣ほどの体躯を持つ黒い蝙蝠、吸血鬼の仮の姿であるそれは新月の夜闇を滑るように飛翔していて。やがて辿り着いたのは自らと愛しい人狼との愛の巣である屋敷。バルコニーに降り立つと同時に姿を変化させ、大きな翼は足首までを隠す外套へと形を変えていて。その裾を揺らしながら地に足つけて1歩踏み出した瞬間「――…っ」腹の底から湧き上がる飢えと枯渇を感じて苦しげに眉を寄せ息を詰まらせる。口腔内に未だに残る女の血の味――もう顔も思い出せないが――その風味が鼻に抜け、呼吸する度に血生臭い本能を刺激する。香水の匂いに混じって存在を主張する血の香り、それらが染み付いたリネンシャツの袖口に付着した血痕を見つければ、心底うんざりだとばかりに舌打ちを一つ。すぐさま外套を脱いで放り捨てれば、手荒な所作のままシャツを剥ぐように脱ぎ捨てて。こうして、愛するあの人以外の血を飲まなければならないことが忌々しくて仕方がない。「だから新月は嫌いだ」そっと息を潜めて吐き出すような微かな声で苦言を。嗚呼愛しいあいつはどうしているだろう、夜行性の彼女のことだから起きて自分を探してくれているだろうか。懸命に自身の匂いや痕跡を辿って探し求めてくれる姿を想像すれば僅かに表情が綻んだが、出来れば新月の夜には顔を合わせたくない――我慢出来る気がしないから。そんな事を思いながら、脱ぎ捨てた服はそのままに、上半身のみ裸体のままバルコニーと廊下を繋ぐ扉に手をかけて。)
(/愛称についてご快諾ありがとうございます、是非ともたくさん呼ばせて下さいませ!
それでは勝手ながら①のケースにて交流文を投下させて頂きました、レスペやロル数等まちまちになるかと思われますが、末永く楽しくお相手頂ければ幸せです。
一旦背後は席を外しますが、絡みにくい、やりたい展開を思い付いた等ございましたら何なりとお申し付け下さいませ!それでは失礼致します…!/蹴り可)
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