少年 2019-03-28 09:35:21 |
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【あらすじ】
世界は神と天使の住む天上界と悪魔が住む地界、人間たちの住む地上界の三つに分けられている。地界は地上界から上に上がれなくなるように特殊な結界で守られていた。そう結界を張っている、神が狂いさえしなければ。人間たちと悪魔たちの負の力に抗えなくなった神は、日を追うごとに優しさを失い、慈悲の心を無くしてしまった。負に染められてしまった神を正そうと天使たちはいろいろと策を練ったが、神によって生まれた天使たちに勝てる術はなかった。そんな中、地上界と地界を隔てる結界はその力を弱める。それによって悪魔たちは次々と地上界へと侵入し、あらゆる害を地上界にもたらした。地上界が荒れ始めたとき、一人の天使が神の寵愛から逆らい、地上界に住む者たちを守ろうと神に刃を向けた。しかし善悪を区別できなくなった神は、立ちはだかる天使に光の鉄槌を下した。鉄槌に身を貫かれた天使は地上界の荒れ果てた屋敷に落ちたのだった。
そこに出会った一人の人間の子供。天使は本来人間には見えないのだが、子供は落ちてきた天使を凝視した。天使は思った。この子供は他の人間よりもずば抜けた精神力を持っているのだと。天使は偶然にも近くに落ちていた紙に己の力を全て注ぎ込んでその生を閉じた。
子供は紙を拾い上げて、天使の遺志を感じ取った。神に傷を与えられるのは、天使と悪魔の素質を持つ人間だけ。さらに、天使の力を使えるのは天使を見ることができる精神力の持ち主だけ。
子供は静かに決意した。生き絶えた天使の代わりに神を地上界へ引き摺り下ろし、正すことを。
それから数十年。
地上界は天使と悪魔が行き交う場所と成り果てた。
一部の天使たちは、最初に神によって堕とされた天使を支持し、より強い精神力を持つ人間に自ら力を与えた。人間と共に堕ちた神を正す。
悪魔もまた、より強い精神力を持つ人間に力を与えて、共に神を引き摺り下ろして叩くことを決める。
これにより、天使派と悪魔派による神への粛正物語が開始した。
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