匿名くん 2019-03-25 19:35:18 |
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(─────それは、満月の綺麗な夜だった。空をぽっかりと空いた穴を埋める様にそこに鎮座する大きな月を見上げると周りのざわめきが消えていく、勿論頭の中で考えるのは盗みの算段。この所ニューヨークの中心部でとある美術館が開催されているという情報を聞きつけ少し遠出の此処へと足を運んだのだが、何せ誰もが1度は名前を耳にする有名な画家のものらしく人だけではなく企業やマスコミも多く取り上げるこの展覧会では何億単位のお金とそれ相応の価値のある≪何か≫が存在するらしい。その画家の絵画だけでも家なんて容易く買えるぐらいの価値があるのに外に漏れぬよう厳重に、未だマスコミ連中にも発表されていない≪何か≫がなんとも今日の夕刻。美術館の地下二階で姿を表す、裏のルートを使い事前より準備をし始め今日という絶好の盗み日和にこの美術館へとやってきた訳だ。怪盗予告の紙を送り付けたのは先日、匿名で送った封筒には短く短編的に《全てを頂きます。》とだけ書いておいた。
「…うわ、流石に有名なだけあって人が多い。警備も厳重だし報道陣連中も居るし。怪盗予告のやつ出したせいかな変に注目されてる、」
ブツブツと愚痴の言葉が漏れ出す。肝心の美術館へと潜り込む方法を入口から少し遠目のバス停に置かれたベンチにて考えあぐねていた。事前に調べておいた美術館のスタッフは顔名前全て頭に叩き込んである、人が次から次へ日めくりカレンダーみたいに顔を変える様子をじっくり見つめること5分。居た、休憩でカフェへと向かうのか紙で見た1人の男性に目線を合わせる。若く年齢の似ている彼は今回の美術館のアルバイトとしてやってきたらしく、まだ日が浅い彼ならいい隠れ蓑になる筈だ。足早に彼へと近づくそのままスピードを落とさないまま肩と肩が触れ合う形でぶつかると「…おっと、すまない。」素直に謝罪すると人当たりの良い笑顔で大丈夫と手を挙げる彼からゆっくりと離れていく。用心しなさいよ、と心の中で嘲笑うも、手に取っているのは白いカード。勿論、さっきの彼の懐にあったもので今自分が手に持っているのは盗んだから。すりの容量で手に入れた其れを自分のポケットに難なく収めると美術館の大きな正門を潜り中に足を踏み入れる。煌びやかなシャンデリアの証明に照らされて、繊細な美術品が並べられていてキラキラと光沢を見せる様はなんとも美しかった。だが、それを尻目にもとい盗んだカードで清掃員スタッフの扉を開けると。そこに身を滑らせ今度は置いてあったツナギ服に着替えて手早く掃除用具とゴミ箱、清掃員専用ワゴンを片手に全体の下見へと繰り出した。案外簡単に事の進みが良く今は12時前後の時間帯、もう見物客は帰りしんと静まり返った館内は証明は落とされ。ちらほらと懐中電灯を持ったセキュリティースタッフが点検を行っている。その闇に乗じて清掃員からそのスタッフの格好へと衣装チェンジすると上手く監視カメラの死角を通り抜けやっとこの地下2階へと辿り着いた。なかなか時間のかかってしまった今回の作戦、早く切り上げないと扉を施錠されるやもしれないとお得意のピッキングで扉を開ける事数分。顕になった丈夫な扉の向こうは無機質でひんやりとした四角の空間。その真ん中に独自の輝きをはなつ≪何か≫があったのだが。その姿は大きな姿のダイヤモンド、赤く見事に染まった繊細な姿は照らし出された小さなスポットライトの中でその身の輝きを映し出していた。その輝きにまんまと目を奪われていた自分は気づかなかった、ひとつの足音が近づいてきている事に…。それを手に取り息をつくまもなく、鮮明になった足音は目の前で止まる。ダイヤをポケットにしまい込むと開けられた扉と後ろへと身を隠し様子を伺った。)
(/遅くなり申し訳ございません。だらだらとなかなか纏まらない文章だった為時間が掛かってしまいました、補足ですが最後の足跡が御相手様のザック君のものとなっております。絡みにくい部分しかない駄文ですが不備や絡みにくすぎるとなればやり直しも修正も可能ですので申し付けて下さいませ!)
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