24796 2019-03-14 20:04:54 |
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(聞こえた呻き声を忘れるように、聞こえた恐ろしい文句も忘れるように。肩にかかった重みごと飲み込むように、絡めた指先に力を入れる。噛み付いた喉仏、それとはまた違う感触は脳髄を焦がして口に入り込んだ血液は喉を焼いて身を痺れさせていく。美味しい、というよりは熱い、毒のようで口から力が抜けそうになるのを必死に牙を刺して痛みを与えながらしがみつく。望めばつけてもらえる痕、望めば与えられる血、望んでいなかったはずのそれを欲するようになったのはいつだったのだろう。息継ぎの為に口を話しては傷口を舌先で抉るように舐め、「足りない、もっと、痛いのあげる…違う、もっと、欲しい」と呟く。思考が行動に追いつかない、何度も何度も傷口を舐めて、溢れる血を取り込もうとする。口の端を伝って落ちた血が、ワンピースに落ちるのすらも扇情的で、求めるばかりの獣になってしまいそう。)
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