〆 盲目的な愛と劣情

誰がアネルの＿っ、わ
（誰が言う通りになんて。不満の声の中でもしっかりと届くあなたの声、じゃりと響いた金属の擦れる音と足が引かれる感覚にバランスは簡単に崩れ。咄嗟に手を伸ばして檻に縋るも甲高い金属音と共に手は滑り、身体が板にぶつかる。驚きと小馬鹿にしたような笑い声が檻の外から聞こえ、かっと顔が熱くなる。腕を支えにして上体を起こし、苛立ちを含んだ目をあなたに向け。その手に握られていた鎖…わかりきっていたけれど犯人はあなた。｢…何、喧嘩なら買ってあげる。ああ、それとも私の牙が欲しいの？激しく吸って欲しいなら、そう言いなよ。痛くしてあげるのに｣、牙を向いて威嚇をする猫のように低い声で続けては馬鹿にしたように笑って。）