魔女協会監査官 2019-03-10 11:25:36 |
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この世界には魔女と呼ばれる者たちが、はるか昔から存在しています。
魔女狩りなどで多くの命が失われ、表社会では空想の存在であるとされていますが、実際は日常にほど近い場所に息づいています。もしかしたら、あのアパートの管理人の美人のお姉さんは魔女なのかも?
さて、科学の発展とともに魔法も進化し、現代の技術を流用する術なども数多く生み出されていますが、当然、縦横の繋がりも現代社会に適した形に変化しています。
基本的に、魔女は親などの師に魔法に関することを教わる始めの年に魔女協会に登録し、様々な支援を受けられるようになる代わりに、協会規則に従う義務を負います。
協会規則とは、簡単に言うと、一般の人や社会に影響を与えたり、環境や世界に悪影響を及ぼすような魔法の行使はしてはならない、というようなものですね。
もちろん、規則を破れば罰則の対象になりますし、魔法は使い方を誤れば人命や社会、環境に大きな影響を及ぼしますから、場合によっては死罪です。
昔は教会の異端審問官が行っていたことですが、時代の流れといえばいいんでしょうかね。今は私をはじめとする魔女協会の監査官が多くの魔女の動向の調査を行い、事件があれば教会に所属する能力の高い魔女を指名し、現地での調査や違反した魔女の処罰を執行してもらっています。
ここで知っておきたいのが、野良の魔女の存在です。
魔女協会は互助組織でもあるので、技術や資料の共有などのサポートを受けられます。
しかし外野にも、秘匿したい魔法や、後ろ暗い目的のために磨かれた技術を持った魔女は少なくありません。もちろん、その教えを請おうという弟子も。
もちろん、全員が全員悪さをするわけではないですが、我々監査官の目があってはできない研究が、役に立つことも実際にあるんですよ。
協会規則で使用を禁止されていた魔法薬を元に、新しい治療薬を開発して野良から協会役員になった魔女なんてのもいましてね。まあ例外中の例外ですが。
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