匿名さん 2019-02-21 15:00:20 ID:804d1d4e1 |
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本というのは、猫がページをめくるようにはできていない。これでは続きが読めない。が、猫のカラダというのは本をめくれるようにできている。
猫は前足をぺろぺろとなめる。そして本に向かって、ぺたん、と下ろす。それから足をそおっと持ち上げる。紙もいっしょなってあがってくる。ある高さまで来たら、勢いよく横にふる。
「ふぎっ」
するとページはぺらりとめくれ、新たなページが登場するのである。猫はうれしそうに一鳴きした。
「ふぎぃぃぃぃ」
一回でめくれた時は、とてもうれしい。
(『ツクツク図書館』/紺野キリフキ/「栞の部屋」より抜粋)
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