のえる。 2019-02-10 20:33:27 |
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No.48 様 蓮池君〉
(また心を読まれた。
ギクっとしながら口元をスケッチブックで隠すと困ったように眉を下げつつ目線をキョロキョロと動かした。何を言えばいいのか、何か思っていれば心を読まれてしまう、なんて何処か恐怖じみたような、否、恐怖と言うよりも…好奇心が芽生えているような、そんな気がして。)
「…こ、紅茶…で」
(小さな声でそう告げるとリビングの机に腰掛け、スケッチブックを開く。
植物や架空の世界、ピアノやバイオリンなどの楽器、動物などが描かれたスケッチブックは彼にとって「この世で一番大切なもの」だった。彼は絵を描く時には語る、「絵は僕に嘘を吐かない」、と。
息を吐きながら紅茶を黙って待つことにして。)
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