罪 2019-01-12 17:26:13 |
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>>梔
(イチは背後から感じる相手の心の揺らぎを敏感に察知して静かに紡がれる言葉に手の中で弄んでいた薬瓶を軽く握る。“誠さん、か”と心の中で一息吐くと振り向くことなくニッと笑顔を作り「じゃあさ、俺が誠の好物とか秘蔵話、教えてやっから今度買い物付き合えよ。」と悪戯交じりの明るい声で調子良く言い、前を向いたまま食後に飲む錠剤を相手に向かって投げる。薬は綺麗に弧を描き相手の手元へ飛んでいき。
(男の所業など知るよしもなくアジトへ戻り部下達に笑顔で挨拶を返していき、渡された封筒を礼を述べて受け取り歩を進めながら一通一通差出先だけ確認していく。そして例の封筒に行き着いたところで手を止めて。それは知らない住所。勿論この住所は男が適当に書いたホクにある廃墟の住所でデタラメ。何となく不審感を抱いて廊下の隅に立ち止まって封筒を開封しては中身を確認し、出てきた写真の数々に瞠目して。写真はどれも見るからに隠し撮り、中心街の物が主だがヤマトにある自宅や酒場、ホクに出向いた時のものまであり中には梔と写っているものもあって。……なんだこれ。と普段は緩々の表情も険しくなり、すぐに他に手紙や文面がないか確認するも一切文字らしきものはなく。…単なるイタズラ?もしくは何らかの脅迫か。一体誰が…、と男には結び付かずに。気色は悪いが“組織絡み”とは思えず、その瞬間から写真への興味は薄れて写真を封筒へ戻すと他のハガキ等と一緒に上着のポケットへしまい。写真が全く気にならない訳ではないが今は相手の事の方が気になった。今朝は顔を見られなかったし体調が回復に向かっていれば今頃起きて粥を食べているころか。先程購入した小さめの紙袋を手に持ったまま相手の居る救護室の前まで来ると小さく息を整えてから軽くノックをし「…入るよ。」と声を掛けてから数秒待って扉を開いて。)
(/いえいえ、決まりはないですし背後様のペースで大丈夫ですよ!此方の返信が早くてもし急かしてしまっているようでしたらすみません汗)
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