罪 2019-01-12 17:26:13 |
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>>梔
(痺れを切らした男が苛立ちを見せ時間稼ぎも限界かと思われたとき、外部から連絡を受けた部下が駆け付ける。男は「はっ、やっと準備が出来たか?」と鼻で笑うも部下が口にしたのは「…“何とか”なりましたよ。」と吉報。それを機に場の流れが一転。不安要素が無くなれば此方の陣地内で傷を負った男達など袋の鼠。あっという間にその身柄を拘束し何やら爆弾の事や人質のことで喚かれるが、件の部下も状況を察してか男達に従うことはなく大人しく爆破装置を仲間に渡して手錠を嵌められる。再び牢屋へ連れられる男達を横目に震えて萎縮する件の部下の元へ行き「…貴方の処分は追って伝えるから。悪いけど今は自由にはさせられないよ。」とやや声色は柔らかいながら瞳は冷たく、牢屋ではなく別室に監視付きで隔離しておくよう命じて。と、往生際の悪い男が牢屋に入る寸前に取り押さえられながら此方に顔を向け「おい、これで終わりだと思ってねぇよな?お前んとこの右腕、あの毒薬飲んだんだろ?お綺麗なのに可愛そうになぁ…そろそろあの世にコロッと逝っちまうんじゃねぇか?」とデタラメを言い下劣な笑みを浮かべる。男を捕える部下が「黙れ!」とナイフを男の喉元に突きつけるも男は笑うだけ。男の挑発、分かってはいるが彼を想うと荒れ狂う感情の波が抑えられず男との距離を詰めるとその襟首を掴み上げ「解毒薬は…?あるなら今すぐ在り処を言ったほうがいいよ?」と刀に手を掛ける。男は依然嘲笑を浮かべ「んなもんねぇよ。俺に構う暇があったら別れを惜しみに行ったほうがいいんじゃねぇか?」と。全ては男の憂晴らしによる虚言なのだがその真偽は確かめようがなく、それ故に解毒法を知り得る男を殺めることは出来ずに。ニヤつく男を冷たく見据えて掴んでいた襟首を突き放すと牢屋に入れるよう部下に命じ身を翻してその場を後にして。
そして真っ直ぐに向かった救護室、男達の前でこそ平静を取り繕ったが焦燥や相手を失うかもしれない恐怖で余裕なんて欠片もない。バタンとやや荒っぽく扉を開くとすぐに力なくベッドに腰掛ける相手に目が行く。薬品の片付けをしていた救護班に少しの間席を外すように言うと救護班が出ていき扉が閉まる前に相手の元へ行き僅かに眉を下げその頬に触れる。伝わる体温は低く、白い肌は青白い上に綺麗な瞳の下には隈が。呼吸も乱れており本当に今にも枯れゆきそうで。今自分がすべきは彼の不安を取り除き解毒法をいち早く探しだすこと。しかしそれすら気が回らなくなっており「…騒動は片付いたよ。君も大丈夫だから。」と言うも言葉だけで声は微かに震え、切羽詰まった表情を見られないように相手の頭に手を回すと自分の方へ引き寄せて。その時、ノックの後すぐ扉が開いて息を切らした薬の解析にあたっていた部下が入ってきて、身振り手振りで薬に致死性はないと伝えるも相手にばかり気がいく自分にそれを構う余裕はない。部下の必死の伝言も背を向けていたため気付かずに「…まだ入ってきて良いとは言ってないよ。」と相手の髪をそっと撫でながら低声で。)
(/背後が失礼します。毎度ダラダラ長くなって本当に申し訳ありません…。今回あまりに長くなってしまったのでご挨拶に参上しました。読み辛い上に見苦しい点も多々あるかと思います。分かりづらい点などありましたらご指摘いただけると幸いです。そして今更ですがここでは確定ロルは控えるようにとされていますが自分は大丈夫な人なのでもし展開を進めるに至って必要であれば惜しみなく使用してくださいませ。いつも駄文にお付き合い頂き感謝です。)
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