罪 2019-01-12 17:26:13 |
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>>梔
(息苦しさと倦怠感から意識が浮上し始めに浮かんだのは、あー、ヘマしたなぁと何処か他人事な考え。自覚はしていたが自分は部下達がいないとどうにも戦闘に隙ができるらしい。ただ、命があると言うことは男たちの目的はやはり金銭なのだろう。そして目を閉じたまま状況を確認するに部屋には3人の部下。拘束の仕方も上手いものでこれでは袖口に忍ばせたミニナイフでガムテープを切るのは不可能。自力で逃げ出すのが無理なら外部の力を借りればいいのだが此処に居るのは“外してくれ”と直球で訴えて頷いてくれる連中ではない。色目でも使えればいいのだが残念ながらそういった芸当はないため他の打開策を考える。彼らの目的が金で己の命を利用しているのなら…その命が危険に瀕したらどうか。一か八か、浮かんだ目論見が外れれば敵に醜態を晒して終わるだけ。しかも絶対に部下達には見せられない、見せたくない姿。それでも僅かな望みに賭けて作戦を実行すべく、まず息を止めて苦しさの限界に来たところで態と咳き込むように呼吸を再開するも口を塞がれているため当然息は乱れて生理的に顔に熱が集まり瞳に水膜が張る。多少無理はあるが発作的な何かに見えなくはないだろう。せめて口だけでも…と異変に気づいて寄ってきた男に目で訴えて。
一方、武器庫内では待機していたスーツ男に榊の拘束が完了したと一人の部下が報告に来た所。スーツ男は部下の報告を聞きながらも壁の向こう側の異変に気づいており部下に警戒と携帯で応援を呼ぶよう手で合図を送る。程無くて相手が見事鍵の番号を当てたことで隠し扉がガチャリと音を立てて解錠し男二人と対峙する形になる。スーツ男はひと目で相手がニホンの右腕だと分かると口端を上げて「まだ招待はしてないはずなんだがなぁ?まあこっちから呼び出す手間が省けたってもんだ。しかし良く此処が分かったな?」と相手の堪能な腕とその容姿を気に入った様子で笑い「ニホンのボスを餌に大金を攫うのも良いと思ったが、お前を闇市に売っても良い金になりそうだな。」と挑発的な物言いで相手を値踏みするような厭な笑みを浮かべる。次にとりあえず相手を弱らせようと銃を構えつつ、数歩横に移動して床にある隠しボタンを押すことで部屋の仕掛け武器が作動し相手に向かって数本の毒針が襲い。)
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