罪 2019-01-12 17:26:13 |
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>>梔
(此方の冗談、一切の下心が無かったと言えば嘘になるが…、それにまるで幼い少年の初恋のような、初な反応を見せる相手にまた鼓動がとくりと波打つ。「あんまり可愛いこと言うと本気にするよ?」と逸らされる視線を追うように顔を覗き込み目元を撫でて少し悪戯に笑み。彼の今迄の色恋がどうであったかは知らないが、ほの字も知らないということはないはずで、それは彼が残した甘美な言葉が物語り己の心をじわりと燻りその一言で欲を掻き立ててしまう。つい引き止めたくなる衝動に負け風呂場へ向かう彼の腕を取っては此方に振り向かせ。やっぱり自分も一緒に…と言いたいところ──、だがそれはこの先あるか分からない楽しみに取っておくことにし、小さくほくそ笑むとポケットから予め相手に渡すつもりでいたものを取り出し相手の手を取って掌の上に優しく乗せて「これ、お風呂に入れる香り袋。疲れが取れるから良かったら使って。」と微笑んで。それは自分も良く使うもの。労い以外に他意は無かったが渡してからなんだかマーキングみたいだなぁとぼんやり思うもそれはそれでいいかと。「ゆっくりしてきてね。待ってるから。」と手を伸ばし相手の口元に触れるかに思わせ肩に手を置くとくるっと身体を反転させてその背中を押して風呂場に行くよう促して。)
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