罪 2019-01-12 17:26:13 |
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>>榊
(しまった、やはり苦無だけでは駄目だったか。肩に苦無が刺さったまま男は不気味に笑うと、もう一挺取り出した銃を構えた瞬間そう脳裏に浮かぶ。せめて部下だけでも、と自分よりも体の小さな部下を背中に回すと同時に?を銃弾が掠める。こんな状況にも関わらず、脳内に浮かぶのは彼もこうやって庇ってくれた、あの宣誓はどうしようか…等、彼のことばかりで。あぁ、怒られてしまうな、と瞼を閉じるが、響いた銃声の後に痛みが続かない。代わりに続く待ち望んだ優しくも強い声に喜び勇んで瞼を開ける。やはり来てくれた。淡々と追い詰める彼は何か言う男…多分命乞いだろうが、それに構わず引き金をひくガウン、という音が響く。男は音が消え入るとともに只の肉塊へと変化し赤黒い血だまりが広がる。あぁ、やった。赤黒いそれと彼は何とも言えぬ怪しい魅力に包まれている…その血が憎き仇のものであれば尚更に。心が徐々に落ち着いていくのが分かるが、ここは冷静にならねば、と未だ体の力が抜けない部下を応援に来てくれた部下に任せ、男の脈を確認する。「…流石榊さん、お見事です。」脈は無く、呼吸もない、男は死んでいた。これでやっと終わったのだ。紆余曲折あったものの思い描いた通りの最後に思わずほくそ笑み。)
お手数おかけしました。…この者達の始末は自分達にお任せください。榊さんは体を休めてください。
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