罪 2019-01-12 17:26:13 |
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>>榊
あ、ありがとうございます……良いんですか?(悶々と散々頭を抱えてああでもないこうでもない、と理屈をこねくり回していたものの、やはり彼の微笑みを見ると自分の作っていた理屈は音を立てて崩れる。そんな微笑みと共に差し出された珈琲に少し気後れしてそう問う。拒絶はされていないようだ、少し安心してカップを受け取り、いただきますと一口つけると、すぐに暖かさが身に染み入る。相手の優しさが溶け出したかのようなほのかな甘みと、柔らかくも強い香り。自分は彼の優しさと暖かさに餌付けをされているようだ、なんて惚けた頭に一瞬思い浮かぶもすぐにそれを追い払い「…とても美味しいです。榊さんの手料理は人を幸せにする料理ですね。」と本心からポロリとそんな言葉を。相手の冷静な眼差しにハッ、と慌てて仕事モードに切り替えると持参した資料に視線を落とし「御意に。…まず、調べたところあの山は霧が立ちやすい条件下にあり、この季節、朝は特にです。近くの道や…」と説明を始め「…です。相手は警戒を強めると思いますので、計画の強い夜を避け、敢えて警戒心の緩む朝方…霧に紛れて情報収集…そして短期内部破壊、扉の解錠も視野に入れた潜入工作は如何でしょう。」長々とした土地の説明の後簡単な作戦の説明をして相手の顔を伺い。)
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