罪 2019-01-12 17:26:13 |
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>>垂
(こうして嫋やかな動作の相手をみると益々女性の様に見えるものだな、と内心思いながらも机の下で他人からは見えない様に紙を覗き見る。「…ふふ、ありがとうございます。水仙さん」短い彼への言葉は、表向きはアプローチに照れる水仙へのものだが、本質は了承してくれた垂へのもの。この男は日本のシマで薬を売り捌く悪質な売人であり、我がボスの胃痛の元とならぬうちに手っ取り早く消してしまおうという算段。その標的である男は呑気に酒を煽り、近くの女の子の肩を抱いたり、上機嫌で話したり、挙句相手にも近付いて「水仙ちゃーん」と間の抜けた声で源氏名を呼びつつ手を伸ばす。咄嗟に自身の目の前に置いてあった適当な酒をその手に掴ませるとマスク越しに男に対してニッコリ笑い)
…大分酔ってらっしゃるようだ。
>>榊
光栄です。(にこ、と目元だけ緩めると、微笑みとは違う緩やかに笑む口元をその目で眺めて。「…自分が、人を?」続いて出てきた言葉にキョトンと一瞬目を丸くしたものの、すぐにくつくつと喉の奥で笑い始めて。恭しく彼の目の前にひざまづくと、彼の手を両手で包み込む様に把持し「人の心配なんてしませんよ。あなたの心配をしているだけです。」自分の頭の中でも気障ったらしい、と毒を吐くような行動は、酒か目の前の君主か、どちらに酔った為のものなのか。今宵の彼は厳かな気品に満ちている。お猪口に添えられた長い指、月を映す透き通った瞳も、そして目元に陰を落とす月の光を浴びた頭髪の一本一本さえも。思わずとも彼に見惚れる視線にじとりと熱が篭る。しかし、彼の紅を引かずとも艶やかな口元から落ちた言葉は己に向けられたとは思い難い比喩。少しの間、身動きも忘れていたものの、彼の視線が月に戻れば続く呟きに視線を落とし。述べられた言葉を順を追って組み立てていく。彼の言葉は遊びを含みつつも決して無駄の無い言葉。それが何を意味するかは分からない筈がない。まぁ、先ほどに続いて述べられた恐らく自分は向けられた比喩に言いたいことはあるが。…本当は自分はこれを待っていたのかもしれない。彼が、自分の手で先代の仇を討つという行動を。そうだとしたら、とんだ卑怯者めが、なんて非難の言葉を胸の奥に隠しつつ。しばらくの間考えていたものの、意を決すると彼から差し出された酒を受け取り、口元を晒してそれへの答えを示し)
…いただきます。
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