罪 2019-01-12 17:26:13 |
通報 |
>>榊
…僅かながら。(相手が手当を受ける様子を見ながら救護班の者に相手の怪我の容態を聞き、漸く安心してホッと一息つく。ふと相手からの視線に気付けば近くに寄り、忍びらしく片膝を立て。少し控えめに問われた言葉に対し、素直にそう答える。少し視線を彷徨わせた後、もう一度相手に戻せばこちらを向く双眼は優しくも聡明な光を浴び、少しもずれることなくもう一言放たれる。聡明な彼は分かっていたのだろう、自分が揺らいだ事、この蟠りが続くことは何を意味するかという事…。温もりこそ籠っているものの、事の本質を捉えたその言葉はシンプルながらも確信を抉る。それ故に自分の言葉に迷いが生じる。暗中模索ではあるものの、手探りで一番近い言葉をつなげて答える。「…いえ、敵のアジトを確実に割るにはあれが一番な得策かと。…ただ、自分が冷静にいられなかっただけです。」冷静さを保てる今になり考えると、彼のとった作戦は最善策に違いない。これが最短で確実性もある。それを認めると、同時にあの場でとった自分の行動が如何に幼稚であったかも自然と分かってしまう。感情に流されるな、という教えを果たせなかった上、相手に武器を構えてしまうなぞ…彼が大らかで、部下に対して寛大、そして理解あるから許してもらえたものの、本当ならばあり得ないはずのこと、自分の未熟さにまた唇を噛み。)
トピック検索 |