罪 2019-01-12 17:26:13 |
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>>榊
(ふと、耳に残る違和感。絹のように心地よく響く彼の言葉の中に聞き慣れない違和感が混ざると、それは何か、と一瞬の後に彼が滅多に口にしない弱音に近いそれのことか、と。しかし、弱音というには随分と小さなソレ。はらりと落ちたそれは、自分を信頼してくれている証かと、嬉しさから心をざわつかせる。又、一方でそれは彼の抱える大きな責任、プレッシャー、期待、不安、ストレス等筆舌に尽くしがたい程の負荷が一人で背負わなくてはいけない現実なのだと再確認するには十分であり、仕方がない事とは言えど、やはり心が痛くなる。彼の力になれれば、と強く願うが、心優しき彼は、他人の痛みも自分の痛みに感じてしまう。今までは、出来るだけ素早く、残酷に頭を狙う輩を始末しようとこの界隈に馴染んでからは振舞ってきた。しかし、最近は、優しい彼に悲しんで欲しくない、と丸くなってしまっていた。それがこの結果を招いた。今日のことを思い返すと、思わず目を伏せてしまう…全てが悪い方向は転んでしまっているような気がして頭が混乱する。しかし、そんな時に頭に暖かく、穏やかな手が触れる。苦しい中にいるのに、他のものに手を差し伸べる彼は、一体誰に手を差し伸べてもらえるのだろう。その手が自分に相応しくないのは十分承知しているが、身分不相応であるが、彼を1人の人として支えたいと思った。決して、これは綺麗な感情ではなく、自分のした過ちを許してもらえる為の懺悔にも似た行為なのだろう、しかし、彼を慕い思う気持ちに偽りはない。まだ混乱する頭では上手く纏めることができないが、それでも自分なりに考えた精一杯を「…自分が、今一番大切に思うのは[頭]ではなく、[貴方]です。勿論、先代やこの組を大切に思いますが、それとは別に、お守りしたいと思っております。なので…榊さんも、ご自分を大切になさってください。」と相手の片手を自分の両手で握りしめながら言葉にして)
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