罪 2019-01-12 17:26:13 |
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>>梔
(微かな呻き声と共に長いまつげを震わせ開かれた瞳、そして零された第一声は実に相手らしく、少し説教してやろうと思っていた気も失せて呆れ笑いをし「…それはこっちの台詞。俺は君のおかげで無事だよ。」何か堪えるように言葉を飲み込んで微笑めば、距離を取る相手に無理をしてないか視線を送りながら頬についているすす汚れを親指で拭ってやる。「気にしなくていいのに。俺はずっと抱きとめてても良かったよ?」こんな時くらい身を任せていいのにと苦い思いをしつつおどけたふうに言うも、続く相手の問いに表情を消して転がる男に視線をやり「…そうだね…。」声を落として肯定と捉れる一言を呟いた数秒後、躊躇なく、男の急所となる喉元に千本を一突きし声を上げさせることなく絶命させて。冷ややかな空気はその一瞬で次に相手を見たときにはいつもの緩い雰囲気を纏って「此奴等の出処は情報屋にでも聞けば何とかなるでしょ。…連れ帰るよりも君の怪我の治療が大事。」と何とも軽く言ってのけた後、相手の葛藤を緩和させるようにその頭を優しく撫でて目を細め。そして答えを待つこと無くアジトに残る部下、死体処理に長けた部隊に連絡を入れてこの場を任すと通話を切り、相手に向き直って「アジトは今手一杯だから怪我は俺の家で診よう。…すぐに冷やしたほうが良い。ほら行くよ。」優しい声色ながら有無を言わさぬ気迫で言えば相手の身体を支えてやるため手を取って。)
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