罪 2019-01-12 17:26:13 |
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>>誠
(揶揄うような言葉の裏で思いを巡らせていたらしい気配に気付く事も無く、額へ感じた軽い衝撃とその言葉にくすくす笑い。自分なりに敬意を払った挨拶の後、束の間の沈黙と無遠慮に向けられる視線に居心地の悪さは増す一方で、やはり相手に助け舟を出して貰わねばどうしようもないと其方へ視線を向けようとした刹那、突然場の空気が一変するような笑顔と歓声に包まれれば拍子抜けしてその場に佇み。雪崩の如く身を寄せてくる子供達に四方八方から様々な言葉を掛けられてはおろおろと彼らの間に視線を彷徨わせ、一つ一つに応えようとするあまり結局然したる会話もままならずに困り笑いを浮かべ。それでもこの時ばかりは全てを忘れさせてくれるような純真な笑顔を向けられると此方もつられて頬が緩み、一時の喧騒に身を委ねて。暫くしてから漸く彼らの意識が他所へ逸れたのか引き際は潔く、あっと言う間にお菓子へ群がる様子を眺めて一息つくと傍へやって来た相手に何処か恨めしげな視線を向け。何かと文句を言ってやりたい節はあるものの、そんな気持ちも短く掛けられた一言に霧散していき。随分と久しぶりに聞く混じり気の無い褒め言葉にはやはり追憶に浸ってしまいそうな響きがあったが、それと同時に否定してしまいたい後ろめたい気持ちに駆られるのもまた事実。この一瞬で様々に気持ちが揺れ動き反応ができずに居た時、そんな混沌とした思考を一掃させるように髪を撫で回されると我に返って相手の腕を払い除け。「こら、さっき直したばっかりなんだぞ」と笑い混じりに咎めた時、ふと一人の少女が歩み寄ってくるのを見ると其方へ視線を留め。相手が先んじて手を差し出した理由は瞬時に察するが無言で軽く片手を添え制止すると、彼女の手から両手でコップを受け取り「ありがとう、レディ」と目を細めて告げ、片手で小さな手をそっと取ると手の甲に軽い口付けを贈り)
>>梔
散歩だよ。あそこは空気が重いし、何もする事が無いのに疲れるだろ。…あ、でも一応見回り役として出てきたから、今のは秘密にしておいてくれ。
(身を隠す気が無くなったのか、現れた相手に向き直るとやはり警察の中では知らぬ顔。しかし相手の方は此方を認知しているらしく、此方も日本マフィアのトップに寄り添う影のような存在として相手を認知している。どう出るかと返答を待てばあくまでも警察の一人として言葉を返されたようであるのを察し、愉快げに口角を上げると此方もそれに応じるべく相手を仲間として捉えた上で返答を。若干の愚痴が混じった言葉を返すがこれが現場を指揮する者に知れては面倒だと思い立ち、徐に立てた人差し指を自らの口元へ添えると悪戯っ子のような笑みを浮かべて首を傾げ。その手を下ろしてから再び相手に背を向けて歩き出すと「折角逃げ出して来た者同士だ。少し歩かないか」とちら、と相手を一瞥し微笑んで誘いの言葉を投げ掛けて)
>>ダンテ
そう見えるか?
(相手からの返答には微笑を浮かべるに止めようと小さく頷くも、付け足された言葉には何となく好奇心で短く問い掛け。無論世間一般と見ての軽口かとも思うが英国では表面的であれ純真無垢な箱入り息子として育てられた身、散々子供扱いされるのが常だったため相手の目にはどんな風に映っているのだろうかと口元に笑みを湛えて首を傾げ。言葉の通り寂しさ等微塵も感じさせない力強さと快活な笑みに此方もつられて相好を崩すと「…そうか。愛されてるんだな、ダンテは」と思ったままを言葉に乗せて小さく頷き。相手の人柄ならば集まる人間がそうあるのも納得できる、と一人呑気に考えてはグラスの中のワインを飲み干して。暫くさらさらと相手の髪に触れながらその色を見詰めていたが、気が済んだのかありがとう、と一言告げて手を下ろすと「不思議だな、生まれながらそんなに鮮やかな髪を持っているなんて」と未だ視線はその髪に引き寄せられたままぽつりと口にし)
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