罪 2019-01-12 17:26:13 |
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>>アーロンくん
はは、慣れてるってちょっと生意気だなぁ。
(慣れてる、と聞き一瞬ぽかんとするもすぐ思考はまわり始め果たしてどういう意味だろうと。相手の見せる人懐っこい笑顔や言動は確かに人の気を惹くものがあるが、何となく引っかかりを覚え。他人がどんな人生を歩んできたなど興味はあまりないが、相手の人間性には魅せられるものがあり、‘それは疲れないのか’と追求しようと口を開くが思い直していつもの軽口に変えて額を小突いておき。スラムの子供たちはそんな面倒臭い思考はせず、相手の礼儀正しい挨拶をじっと凝視して数秒後、強張っていた表情を溌剌とさせ相手の周りに集まると、よろしくねー、かっこいいねと口々に言葉の嵐で歓迎して。先程戸惑っていた相手だっためその様子をそっと離れて面白そうに見物しつつ、お菓子に目ざとく気付いた子供に袋を渡してやり。子供達の意識が相手からお菓子へ移ると相手を囲んでいた小さな嵐は去り、その隙に再び相手に近づいて胸元にある帽子を一瞥し。スラムの人間に帽子を取って挨拶する警官などそういない。──「やっぱり君っていい子だね。」ゆるりと笑めば先程より更に撫でやすくなった髪を再び豪快に乱してやって。とその時、頬を染めた少女が相手に水の入ったコップを差し出してくる。中の水は一見普通だが街の綺麗な飲料水ではなくこのスラム街の水。少女の純粋な好意だが耐性がないと腹を下しかねない。少女には悪いが自分が受け取ろうとコップに手を伸ばし。)
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