罪 2019-01-12 17:26:13 |
通報 |
>>ダンテさん
(喉を切られ潰れた声で呻く男を相手が蹴るたびに艷やかな赤髪が揺れ、惨い光景の中では浮いた存在のその赤に目を惹かれつつ、頭の片隅ではまた別の事を考えていて。過去にも、自分がマフィアに入る前も似たような光景を何度も見てきた。スラムで共に暮らす無抵抗な少年少女を、友人をゴミのように息絶えるまで暴行し苦しむ姿を嘲笑う男達の姿。憂さ晴らしだった。道理も何もない。ただの遊び。相手とは違う。状況も異なれば責めるつもりも間違ってるとも思わない。が──「殺すならさっさと殺せば良いのに…。」無表情に誰に言うでもなく冷たく小さく零せば、ことが終わった様子に一度目を閉じたあと刀から手を離し相手の元へゆっくり近づく。座り込んで空を仰ぐ相手の隣で立ち止まると一度無様に転がる死体を無表情に見下ろし、すぐに相手へと視線を落とし。「…仲間を想いすぎて油断でもした?怪我するなんて君らしくないね。」声色静かながらいつもの調子に戻しつつ少しからかうように言ったあと、真剣な表情をして「…後の処理は此方でさせて貰ってもいいね?指の一本くらいなら持っていってもいいけど。」死体からでも情報は得ようと思えば得られる。それに裏切り者と言えど此方の人間であった以上片すのは此方で請け負いたいと。最後に冗談を付け加えつつ望まれれば断る気はなく。「それにしても、ちょっと出血が多いね。…ここからだったら俺の家が近いからそこで治療するよ。安心して、俺以外は誰もいないから。まあ君の部下が許してくれればだけど。」すっと相手の前にしゃがんで傷口に軽く触れて具合を確かめるとやや眉を寄せつつ、意志を確認するように蒼い瞳を見て。)
トピック検索 |