語り手 2019-01-06 21:47:19 |
通報 |
ご飯よりも足りないもの、か。ううん、それは何だい?ああでもこうでもなさそうだ。……君の口から教えてはもらえないかな。
(木片が擦れ合う音へ視線を当てる事もしないまま、扉を閉めたので若干ながら部屋の暗闇が増した。随分前に冷えた足を進め、我が妹の頼りのない両腕へすんなりと入り込む。背丈に差があるため二人揃って座っても尚、自分が見下ろす形となってしまうが距離の近さが影響し、ただ棒立ちしている状態のふと気付かされる高さ低さはどこにも感じられない。彼女の癪に障った面持ちは長時間の留守番を強いられ、不満たらたらな小動物に似ているように見えた。晩餉の品々を胃に運ぶだけでは追い付かない、さあそれは一体全体何であるかを問い掛けられては頭を捻る振りをする。後ろめたさと悪い冗談の混ざり合う感情に押されて聞こえによってはわざとらしく、同時に、皆目見当がつかずどうしようか困ったとばかり、答えを強請っている風にも聞こえそうな調子を孕ませる。解がどんなものかを詳らかにする意思はあるらしく。)
トピック検索 |