語り手 2019-01-06 21:47:19 |
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(/いえいえ、こちらこそ私得な募集にお声掛けして頂き有難い限りです…!どうぞこれから宜しくお願い致します。
早速ですが、下記の募集文を再度掲載させて頂きますのでご不明な点やご質問等ありましたらお願いします。また、募集文でちらりと触れた"噂話"ですが、こちらとしては本当の話で進めていこうと思うのですが如何でしょうか?
それは戦後日本のお噺で御座います。戦場を駆けた英雄も平らかな時代に相成りますと過去の遺物、果てには殺人鬼と扱われることも少なくありません。また、本土で終結を待ち望んでいた国民の中にも当時の空襲、火災、飢餓の地獄に狂ってしまった人間も居りまする。そんな面々を集め、大義名分に庇護を掲げて作られたのが、『帝都見世物小屋』と云う、まあ何とも悪趣味な代物で御座います。これの客引きを致しますのは、衆目集める哀れな片目片足男。火吹き男と称しながらも、大火事の幻影に怯える男は無理に口にした油で結局何時も己が火達磨。それにさえ沸き立つ客席の前、恭しく出でるは当座の看板、人魚姫。人魚とはさて何の事かと申しますと、見るのも憚られるケロルドの結晶体、溶けてぴったりくっついた両足を鰭に見立てて煽るだけ。地獄を見てきたその目は現実逃避に濁った儘、命じられた事を全て行う危うさは確かに化け物じみているやもしれません。徳利児に蜘蛛男、異形の人間の見世物が終わればすっかりこっくり真っ暗闇。安穏な日常に帰りたい御方は此処らが引き時で御座いましょう。次の御題目は美しい双子の織り成す赤い赤い狂気の世界。猫の臓物をぶちまける兄に、それを這い蹲って啜る妹。整い過ぎた顔や肢体を血塗れにして嗤う様はまさに狂気の沙汰。更に付随させるならばこんな噂をご存知で御座いましょうか。悪逆非道な前団長は兄を愛玩し、妹を鞭打つ変態で、それが姿を消したのは双子が殺し喰らった所為だと云うので御座います。それが真実か否かは舞台を御覧になって御自身の目でお決め下さい。さあ骨の髄から可笑しくなって仕舞いたい御方は是非お立会いお立会い。
▼募集
双子の兄
"血に飢えた殺人鬼"という売り込み文句で舞台に立ち、小動物や人間の模倣品やらを血祭りにあげる。生来嗜虐性が強い為気質に合った舞台といえる。この舞台のウリは日常に飽きた観客に血のスリルを与える所にあるが、それを行うのが美形という点が変態的なお客の心を掴んで離さない。
▼提供
双子の妹
"人をも喰らう悪食娘"という売り込みで舞台に立ち、蛇やら猫やらを食べてみせる。見世物小屋に拾われる前は飢餓から逃れる為何でも口にしていた事から抵抗感は無い。この舞台のウリは日常に飽きた観客に血のスリルを与える所にあるが、それを行うのが美形という点が変態的なお客の心を掴んで離さない。
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