情報屋 2018-12-09 19:31:53 |
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──まったく、従業員まで覚えているのか。つくづく情報屋としては優秀だな。君にはうっかり自分のことを言わないようにしないと
(探す必要がない、という言葉にピンと来ないでいると相手は名札を目でなぞって、やがて的確に2つのロッカーを指定する。推理や予測ではない、この男は純粋な記憶情報としてこのホテルの何十人といる従業員を頭に格納しそれを正確に取り出しているのだ。その記憶情報を疑うことなどなかった。ストレートに褒めてはやらないが相手が優秀だと思うのは本心、常人では達しない域にいる人間。そんな人材の時点で自分の仕事に相手を連れてくる意義は十分にあるのだが、本人はあまりその自覚がない、それも相手の面白いところだ。指定されたロッカーに近づくとポケットからピッキング器具を取り出してものの数秒もしないうちに解錠してしまう。もうひとつのロッカーも鍵を開けるとその扉を開いた。相手の記憶通り、そこにはウェイターの服一式が揃っている。自分の思惑通りに事が運ぶことに高揚を隠さぬように笑みを浮かべるとウェイター服をひっつかみ)
よし早速着替えよう。次は厨房から餌を盗まないと
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