(相手に促され、居間へと向かうと腰を下ろし溜息をひとつ。新しい煙草の箱を開け、火を点けるとまた煙を吐き出す。不安な事がある時、苛々している時、無性にこの煙を欲するのはどういう訳だろうか。湯を張る水の音が聴こえていたが、一人になると再び思考は小説の方へと。相手が戻るのを待ちながら、元々酒には弱い質だが今日は深酒でもしてしまおうかと、また相手から叱られそうなことを考えつつ。)