小説家 2018-11-29 01:25:00 |
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お前さんも吸うようになったのかい。──仕方ない、帰るよ。(煙草の要求は彼が吸ってしまった事によって却下され、相手が煙草を吸ったという事実に驚いたように視線を向けつつ、どうやら箪笥に隠し持っている事も気付かれていたらしい。見透されていたのがなんだか癪で、溜息を吐き乍立ち上がり。同時に自分の弱音に対して同情の言葉をかけてこない事にどこか安堵しつつ、相手に差し出された手は当然気恥ずかしくて取らなかったが、それでいて先に行ってしまうこともなく相手と歩調を合わせて屋敷への帰路に着き。吐き出した白い息が広がるのを見ながら、相手とこうして歩くのなどいつぶりだろうかと考えて。)
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