小説家 2018-11-29 01:25:00 |
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─はい!有難う御座います。
(相手の言葉に表情は明るく、同時に見える景色さえも色が付いたようで、先程までには酷なだけであった雪も白く綺麗な景色へと早変わり。差し出された傘を受け取り乍、隣では未だにどこか不安げで悲しげな様子の相手。スランプ、という事実と向き合えば向き合う程に余計に不安を煽ってくるのであろう。生憎、自分には助言が出来る程の学も技量も無い。出来る事と言えば、ただ一つ。残り1本しかないタバコの箱は、今だけはそう伝えずに、「…すみません、さっき全て吸ってしまいまして。家にはきっと、先生の事だから隠し持っているのがあるのでしょう?僕は暖かいご飯を用意しますので、先生も暖かいお部屋で一服されて下さい。」と。立ち上がり、手を引いて戻って来ることを許してくれた先生、今度は自ら手を差し出し帰りましょう、と帰路を示した、)
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