小説家 2018-11-29 01:25:00 |
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話すこと、僕はあるんです。食事も取らないで煙草ばかり吸っていては、適切な栄養も取れず頭も働かないでしょう。…昼ごはんが嫌と言うのなら、甘味でも用意しますので来て下さい。
(鋭い視線が自分へと向けられた。その瞳にいつもの柔らげな眼差しは無く、苛立ちまでもが含まれていることが見てとれた。しかし、やっと視線が合ったのも確かで今だと言わんばかりにつらつら言葉を並べる。元より細い華奢な体型に、心配は募る一方でタバコに伸びた手を見据えると咄嗟に「駄目です、」と煙草を取り上げる。すると、手に持った箱はそれほどの握力で握っていないにも関わらずに大きく凹む。タバコの買い出しなども担っているし、執筆活動に際して必要な物として筆なら原稿やらと一緒に煙草の準備も行なっている。今朝、新しい箱を開封したばかりだと言うのに、残りは片手で数える程度なのだろう、「…先生、一体何本お吸いになられたのですか?もう殆ど残っていませんよ、…はぁ、今日は一日僕が預からせて頂きます。」と溜息交じりに、ポケットへとタバコを収めた、)
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