小説家 2018-11-29 01:25:00 |
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嗚呼、ありがとう…おや、良い色を選んだね。こういうセンスは昔からお前さんには敵わないよ。
(程なくして戻ってきた相手の声に一度筆を止めて振り返ると、鏡の傍に掛けられていたのは久しく袖を通していなかった春長色の差し色が入った着物。今の季節にも今日の場にも合う選択だと納得し乍、気遣いに長けている相手だからだろうか、着るものからもてなしの食事、出掛ける際の手土産に至るまで、昔から時と場合に合ったものを選ぶセンスは自分よりも光るものがあると素直に感心し。先に着替えてしまおうと鏡の前で着物に袖を通すと改めて着るもの一つでも心持ちがしゃんとするのを感じつつ帯を締めて、)
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