小説家 2018-11-29 01:25:00 |
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…私がお前さんの任を解けば、それで満足なのかい。
(肩こりから来る頭痛だろうか、ズキズキとした痛みに、相手に背を向けたまま眉間を抑えつつ目を閉じる。思考も言葉も、今は互いに完全にすれ違っていた。自分に非があるのなら、と彼が紡いだ言葉すら、穿った見方をしてしまう。自分から出て行くと言い出すのが忍びなくて、此方から任を解くのを待っているのだろうか、と。暫しの間を置いた後、ようやく椅子を回し相手と視線を合わせる。しっかりと顔を合わせるのはいつぶりだろうか、疲労の色濃いやや気怠げな鋭い視線が相手を見つめた。出て行くと決めていながら、決して自分からは言い出さない彼はひどく酷だ。そんな事を思いつつ、煙草に火を付けた。出て行け、と口にすれば彼は愛すべき女性の元に向かい二度と此処には戻らないと確信していたからこそ、好きにしろ、という月並みな言葉を告げただけで、彼を突き放しきれずにいて。言葉少なで、彼と向き合えないその不器用さが、そもそも根底の事実の認識が間違っているという事に尚も気付けなくしている事に、本人は気づいていなかった。)
──第一、私たちの間に契約なんぞ存在しない、お前さんの好きなようにすれば良い。
(/ ご心配いただきありがとうございます…!私が今住んでいる地域は夜のうちに過ぎ去ったようで何事もなく、無事に乗り切りました。テレビなどで見ると各地相当に被害が大きかったようで…背後様もご無事で何よりです。昨日で担当していた仕事が一段落した事もあり、またもやお待たせする暇もなくのお返事となってしまい恐れ入ります、!)
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