小説家 2018-11-29 01:25:00 |
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…、お気遣いありがとう御座います。
(自分の言葉に対しての1人で充分だという答えの対象が自分でない事は学がなくても、すぐに分かった。もしかして、随分と前から交代させたかったのか。自分より料理も上手で柄の良い人は万といる。先生はお優しいので、きっと言いにくかった部分もあったのだろう。なんて、悶々と考えを巡らせる。答えの見つからない其れは、時間が経つにつれ増すばかり。普段より断然会話もない静かな空間で各々何を思っているのだろう。先に食事を終えた相手が立ち上がり部屋へ帰ると増す静けさ。空腹なのに進まない、味も感じない料理も今だけは気にならず。程々に終えると、静かにご馳走さまでしたと呟く。ご飯の後は次の日の仕込みと、作り置きの最終チェック。それと、先生と自分の分の寝支度を済ませ、眠りにつくとあっという間に翌日に。)よし、…明後日には帰宅しますので、ご飯はきちんと食べて下さいね。あと、タバコも程々にお願いします。それと─(玄関先で、荷物を抱えて後は出るだけというところで、先生の顔を見るとやはり世話役のさがで、細々と念押しを。たかが数日、されど数日。心配になる気持ちもあるが、先生が見つけた代わりの世話役なら大丈夫だろうと腑に落とし、家を後にして。)では、行って参ります。
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