小説家 2018-11-29 01:25:00 |
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来週辺り休みをあげるから、近々実家に顔を見せて来ると良い。お前さんがいつまでも此処に入り浸って独り身でいたんじゃあ、親御さんも心配するだろう。
(相手が電話の話を早々に切り上げたがっているのはその様子から分かったが、湯飲みに茶を注ぎ乍そう言って。敢えて相手が避けたがっていた見合いの話を暗に持ち出し、休みをあげるとまで言ったのは、何故かほんの少し心に引っかかる物があったからだろうか。相手の言う通り今は新作の執筆に取り掛かった所、相手の言葉には同意を示すように軽く頷きつつ、早々に湯呑みを手に書斎へと戻っていき。相手が所謂結婚適齢期と呼ばれる時期に差しかかろうとしているのは分かっていた、いつまでもこうして二人で暮らして行く訳には行かないのだということも、頭の何処かでは少し前から分かっていたのだ。然程執筆に行き詰まっている訳では無かったが、煙草を取り出すと火を点けて煙を吸い込み宙に吐き出す。何故かはわからないが、少しもやもやしたものを胸に感じていた。)
(/ですね、ではその流れで進めて行きましょう!私も、恋愛感情の方に傾いて行っても良いと思っています。まだ本人は気付いていませんが今の先生の気持ちは嫉妬にも似たものですし、少しずつ人間愛が独占欲に、独占欲が恋愛感情に、という流れでも良いのかなあと!)
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