小説家 2018-11-29 01:25:00 |
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─母さんの言いたい事は分かるよ。だけど、いくらなんでも急過ぎるよ。
(いつも通りの朝、いつも通りの食事に、いつも通りの日課を淡々とこなす日々にふと黒電話の音が屋敷内に鳴り響く。駆け足で取ると、聞き慣れた声で『総一郎?』と呼ぶ声。その正体は実の母親であり、電話番号は教えておいたが日々の仕事に追われゆっくり電話をすることもなかったなとふと思う。急な電話に訃報かと一瞬思ったが明るい声色からそうではないのだろうと察する。体調はどうなのか、先生に迷惑はかけていないか、と以前と変わりない他愛ない話を数分、『あんた恋人は出来たの?』とこれまた変わりない言葉。数年前より度々聞かれるこの質問には、決まって「今は仕事に集中したいんだ。」と遠回しに、かつ完結に答える。何時もなら、そうかい、なんて端的に終わる話題もこの日ばかりは違った、『あんたに会わせたい人がいてね、一度でいいから場を設けてみない?先方には話は付けてあるんだけど…来週の土曜なんてどうかしら?』と一言。一瞬、思考が追いつかなくなるも、上記をいそいそと話す。気持ちは重々伝わる、断ろうと試みるが話はつけてある手前、一度は考えてみて、との圧に負け、言いくるめられ電話を切る。途端、思わず大きなため息を零す、)はぁ……ったく。
とても繋げやすいロル、ありがとうございます!
お見合いネタとして母からの提案に繋げさせてもらいました、当方のロルについても分かりにくい繋げにくいありましたらお申し出下さい!
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