小説家 2018-11-29 01:25:00 |
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…先生って、不思議ですよね。外に出て、小説の為の取材に出向く作家さんも多くいらしてる中、先生はまともな外出は年に片手程。なのに、先生が生み出す作品はどれも素敵な情景が鮮明に思い浮かぶんです、…僕にとっては、どの作品も全て、人生の思い出なんです。
(湯が沸くまで、台所の火を見張り乍姿見えない相手と声のみで会話を弾ませる。10年は前の初めて本を手に取った時の衝撃を思い出し乍、しみじみと語った。そして、今日のタイムリーな思い出を振り返ってみると、たまにしか見れない相手の姿が見れたと、「はい、楽しかったですよ。久しぶりに先生の外面も見れましたし。」とにこやかに話し、)いえ、決められた夕御飯の時間がありますし、そろそろ支度しないと、5分ばかり遅れてしまいます。……なんて、出来た世話人ならそう言うべきなんでしょうけど。こうして、先生とゆっくりお茶出来る時間もそうそう無いですもんね。お言葉に甘えて、……隣、失礼します。(やかんから沸騰を知らせる音が聞こえると、慣れた手つきで2人分の茶を淹れる。2つの小皿に大福を飾り、お盆に乗せながら相手の隣に腰をおろし、茶と菓子を差し出して、)
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