小説家 2018-11-29 01:25:00 |
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嗚呼、今在庫を出して貰ってる。──総一郎、此れなんてお前さんに良いんじゃないかい、繊細な色合いが洒落てる。
(購入する事を決めた筆は、丁度店主に在庫を持ってきて貰っている所。濃い紫檀色の軸に対照的に澄んだ白の穂先が印象的な見た目も品があって綺麗な筆は書き心地に関しても拘りの強い彼の手にも合ったようで。相手の言葉は御構い無しに、側に歩み寄り並んでいる万年筆を一通り見るとその内の一本を手に取って。深い緑色と藍色が混ざり合ったような絶妙な色合いの筆は光の当たり具合で魅せる色合いが微妙に変化して。若者らしい洒落っ気もありつつ品の良いデザインは相手に似合いそうだ。相手はどういうものが好きなのだろうか、単色のものから模様の付いたものまで様々に並ぶ美しい万年筆を興味深そうに眺めつつ。)
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