小説家 2018-11-29 01:25:00 |
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(体調が優れない時であっても自分を気遣う的確な相手の忠告に少々感心したものの、その忠告を何も守らないまま執筆の合間に浅い眠りに落ちてから一時間。寒さで目を冷ますと、書きながら微睡んでしまったのだと早々に立ち上がり相手に言われた通り半纏を羽織って。少し身体が冷えてしまったためお茶でも淹れようと思ったところで、そう言えば自分は粥を作るつもりで居たのだと思い出し呆れたように溜息をひとつ。普段相手に任せきりの為、なかなかスムーズには事が運ばないようだ。微睡んでしまっても身体を冷やす事が無かったのは相手がそっと半纏を掛けてくれていたお陰、原稿に染みを作ってしまわなかったのも気が付いた相手がそっと筆を硯の上に戻してくれていたお陰なのだと改めて感じつつ向かった先の台所で薬缶を火にかけ、やがてお湯の沸騰する音に薬缶から急須に湯を注ぎ。)
私の方こそ、忙しい状況なのに急かすような事を言ってしまって悪かったね。待っていると言いながら先走ってしまって…しょうがない背後だよ。事前に報告は貰って居たのだから、気にする事はない。年末年始と忙しいのは当然の事だ、お前さんのペースで返してくれればそれで良いよ。
今度こそきちんと待っているように背後にも伝えておくから。
私の方こそ、今年も一年宜しくお願いしますよ。
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