小説家 2018-11-29 01:25:00 |
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お前さんも混ざってたのかい、呆れた子だ。…相変わらず物好きだね、花は兎も角として、お前さんは私が死ぬまで側に居て幸せにしようって云うんだから。
(てっきり控え室で待っているものかと思えば相手も会場に居たという。慣れないながらにインタビューに答え、写真撮影では表情が硬いと散々文句をつけられたのも全て見ていたという訳で、呆れたように溜息を吐き。白い胡蝶蘭は確かに咲き誇っている間、贈られた相手に幸せを運んできてくれるのかもしれない。しかし幸せを運ぶという意味では、自分の意思で主人に時間を捧げ一生を共にしようとしている相手の方が其れに近い気がしてそう言いつつ、相手の持つ花を一瞥して少し笑って。食事を豪華に、という相手の提案には「たいして目出度くも無い、いつもより少しばかり多くの人が私の話を手に取っただけの事だ。いつもの食事で十分だよ。」と連れない返事を返しつつも、近くの老舗の甘味処で好物の甘味を買って帰ろうと。慣れない会見で疲労が溜まった様子で、詰めていた着物の襟元をやや寛げ煙草の箱に手を伸ばし一本咥えるとマッチで火を付け、煙を吐き出して。)
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