✿ 主 2018-11-05 05:29:18 |
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>葛籠 宛
(それは正に微睡みの中に居る様で、夢の中の様に酷くぼんやりとしていて曖昧だった。まるで見えない何かに引き寄せられているように、足は一人でに石段を登り続ける。はっきりとしない意識の中、それでも確かに分かるのは自らを取り巻く空気の異質さ。時は黄昏時,それとも夕暮れ時であろうか。何れにしろそれは自らの知りうる言葉では形容し難いものであった。その間にも一歩また一歩と足は石段を登り続け、次第に頭に掛かった靄は晴れてゆく。暫くすれば幾らか意識ははっきりとして行きその内に周囲を認識出来る迄に成った。何の意味も解らぬままにゆっくりと視線を泳がせては不意に自らの手を引く人物に気が付く。前を行く人物は女の童。誰だ?突然のことに状況を理解するなど無理に等しく未だ霞む脳に浮かび上がる単語はそれだけで。一体何が起きているのだろうか。自分は何をしているのだろうか。少しでも“今”を理解しようと見苦しくもがく様に働かぬ脳を必死に動かしては言葉を絞り出して沈黙を破り、明らかな困惑の滲む顔で相手を見上げて、)_っ、貴方は、誰ですか?
(\絡みロル投下致しました。拙く表現の分かり辛い部分も多々ありますが、目を通して御検討頂ければ幸いです。)
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