✿ 常世からの呼び声 (創作/指名制)

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✿ 主  2018-11-05 05:29:18 
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随分と長い間、貴方は石階段を登ってきた。

その場所に見覚えはないだろう。
左右は鬱蒼と茂る木々に挟まれて、暮れなずむ陽は貴方を朱く照らし続けている。石階段の終わりには随分と古びた鳥居が一つ、その先が神社であると推測するのは難しくない。けれど貴方がそれを認識できるかは、別だ。

思考も感覚も朧げな貴方に分かるのは一つだけ。
呼ばれている。
呼ばれているから、石階段を登っているのだ。

一段、貴方は足を踏み出す。
一段、着実に一歩ずつ。
一段、足取りは不確かに。

そうして終わりが見えてきた。
後一歩、その石階段に足を載せれば鳥居の向こう側を見ることができる。鳥居の向こう側にいる、貴方を呼ぶ何者かがそこに居る。

一段、貴方は最期を迎える──筈だった。


>幸運にも誰かが貴方の手を掴む。そしてもう片方の手で、しぃ、と口元に人差し指を当て、貴方を石階段の下へと誘った。



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  • No.74 by 倉留 鮮  2018-11-22 18:55:34 



>73 銀弧

( 男は笑って謙遜すると、ゆっくりと立ち上がった。その動作をじっと見つめる。自分なんか遅い方だという言葉が謙遜なのか純然たる事実なのか知る由はないが、謙遜であってくれと密かに思った。口には出さなかったけれど。
彼が視線を外したのにつられて、自分も瞳を動かす。その先には、木造の長屋が佇んでいた。まさに下町の狭い路地といった風体で、いくつも連なるその建物に目を丸くする。歴史的な都市住居を想像しろと言われたら、多くの人間が思い浮かべるであろう模範的な外装だ。と言っても実際目の当たりにした記憶はないので、物珍しそうにあちこち眺めていると、銀弧が手招きしていることに気付き恐る恐る中へ入った。まず目についたのは炊事場。そして次に、襖の奥の小さな部屋。生活の拠点であろうその場所は男の一人暮らしが容易に想像できる光景で、照れ臭そうに断りを入れて物を寄せる姿は少しだけ人間臭く映った。が、その行動はこちらの座るスペースを確保するためのものなのだろうと理解すると、彼の提案に甘えた形であるとはいえ突然家に転がり込んだことに対する申し訳なさに襲われる。多分、少しハイになっていた。入ってすぐのところで突っ立ったまま、しばらくその様子を眺め──やがて口を開く。助けられてばかりの自分は、この男に何をしてやれるのだろうか。何をしたら、報えるのだろうか。 )
俺、なんて礼を言ったらいいか……。掃除でも何でもさせてくれ、経験がものを言うような仕事はダメかもしんねぇけど、知識で補えるような言いつけなら何でもするから……。


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