✿ 常世からの呼び声 (創作/指名制)

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✿ 主  2018-11-05 05:29:18 
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随分と長い間、貴方は石階段を登ってきた。

その場所に見覚えはないだろう。
左右は鬱蒼と茂る木々に挟まれて、暮れなずむ陽は貴方を朱く照らし続けている。石階段の終わりには随分と古びた鳥居が一つ、その先が神社であると推測するのは難しくない。けれど貴方がそれを認識できるかは、別だ。

思考も感覚も朧げな貴方に分かるのは一つだけ。
呼ばれている。
呼ばれているから、石階段を登っているのだ。

一段、貴方は足を踏み出す。
一段、着実に一歩ずつ。
一段、足取りは不確かに。

そうして終わりが見えてきた。
後一歩、その石階段に足を載せれば鳥居の向こう側を見ることができる。鳥居の向こう側にいる、貴方を呼ぶ何者かがそこに居る。

一段、貴方は最期を迎える──筈だった。


>幸運にも誰かが貴方の手を掴む。そしてもう片方の手で、しぃ、と口元に人差し指を当て、貴方を石階段の下へと誘った。



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  • No.70 by ✿ 主/【募集停止中】  2018-11-21 06:06:38 



銀弧 ▷ >68:鮮

(ぴゅう、と口を尖らせて口笛を。貴方の手を逃さないようにと握り「大胆だねぇ、転ばないでよ。後、僕の羽織落とさないでね、お気に入りだから。」と貴方にいうとそのまま石階段の下へと降りて行き、貴方と繋いでいない方の手を水平にあげて人差し指でぴんと真っ直ぐの方向を指し「暫くは此処を真っ直ぐ、一回だけ右に曲がるけどその時は言うから。……行くよ!」と言うが早いか駆け出して。初めは貴方がどれぐらいの速度で走れるのか測っているのかややゆっくりめに、少しずつ速度を上げていき。妖狐の見ている限り貴方を訝しげに見ている存在は多数、勘のいい部類の妖が貴方に気付きかけているらしい。思わず貴方と繋ぐ手に力を込めてしまったせいで、緊張が伝わってしまったかもしれない。けれど足を止めることはなく進み続け「右!」と後ろを走る貴方にも聞こえるように大きな声で告げると角を曲がり、そう長くない距離を走れば徐々に速度を落としていき。)


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

黒縄 ▷ >69:苑

(貴方の選択に異を唱えることはなく「わかった。」と頷き。「そう変わったものは無い筈だ。」定食屋は何処にあったかと思案しつつ、珍しい物がないかという貴方にそう返して。所詮は又聞き、現世の実を烏天狗は知る由も無いが、その言葉の通り常世にある食べ物もそうそう貴方の常識から逸脱した物はない、という事実を告げる。確かもう少し行った先だったかと場所を思い出したところで貴方に手を引かれ、驚いた様子で「おい」と貴方に声を、しかしながら逸れることがないのであれば合理的かと思い直し口を閉じて。「三軒程先だ。」と場所を貴方に伝えると貴方の後ろを付いて行き。進んでいけば分かりやすく定食屋とのぼり旗が出された店が見つかるだろう。)


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