___20XX年、それは突如として世界各地に発生した。辛うじて人の形を保っているものの決して人等とは言えないそれらの生命体は、粘り気のある黒ずんだ肢体を持って奇怪な霧と共にこの世に当然生まれ落ちたのだ。そして一体何を思ったのだろう、奴らは目を覚ましたその瞬間から辺りの建物を所構わず破壊し始め、更には目に付いた住民達を容赦なく惨殺し、惨たらしくもその悪虐の限りを尽くしていった。その存在はあまりにも強大で、人類がその時出来た事と言えば化物が巣食う一帯を『立ち入り禁止区域』とし、奴らが外へ漏れ出さないように一帯を囲むように高い壁を設ける事ぐらいだった。そして化物達はその残虐性と人間のような見た目から『罪人』と名付けられた。
そんな法螺話のような事件が起きてから早数年、人類は未だ罪人に対抗する決定的な手段を見つけ出せてはいなかった。世界の何処かでは研究が進められているようだが、その実態は不明で情報も此方までは届いてこない。だが何もしない政府への国民達の不満は今や最高潮に達していた。焦りを感じ始めた政府の人間達は気の進まないままに国の優秀な人材を掻き集め『罪人討伐隊』とし、各地に点在する罪人生息区域に送り込む事にした。
この物語はそんな見放された区域の中でも取り分け世間の関心のない、元は貧困層が暮らしていた街が舞台である。都市部等では随分と救助が進んでいるが此処は違うようで、住民の殆どが今でも放置されているという有様。化物が徘徊し明日が在るかもわからないような悪夢の街に閉じ込められながらも、それでも確かに彼らは其処で生きていた。だが何も日々を怯えるだけで過ごしている訳ではない。この街に暮らす人間の中にはとある『能力』を開花させ、自らの身を守る力を有した者も生まれ始めていた。その者たちの名を『断罪人』と呼び、今では一部の断罪人達が街を取り戻すまでには行かずとも少しはマシな世界になるようにと、自ら『自警団』を結成しその力を持って罪人達を粛清し始めるまでに至っているという。
地獄のような場所から外に出ることも叶わず、鬱々とした日常に足掻く地元の『自警団』。政府が選んだ優秀な人材の中でも『落ち零れ』と呼ばれ、生贄のようにこの区域に送り込まれた『討伐隊』。闇が蠢く閉鎖的な霧の街で、彼らは無事生き残ることが出来るのだろうか……?
【罪人】
数年前に突如として現れ街中を徘徊する異型の化物。タールのように黒く粘り気のある物質で出来ており、影のように人の形を模している。知性の有無は不明だが、人間には到底理解出来ない言葉を常にブツブツと呟いている。罪人には種類があるようで、それぞれ別の個体より大柄な『傲慢』、じんわりと赤みを帯びた『憤怒』、二人以上で居ると襲いかかる『嫉妬』、液体のように地を這う『怠惰』、建物を重点的に破壊する『強欲』、大きな口のようなものを持った『暴食』、女性にも似た体付きをした『色欲』に分けられる。身体の内側にある核を破壊するとまるで蒸発するかのように消滅する。
【断罪人】
罪人の出現と共に街を覆った謎の霧の影響を受け、罪人に対抗しうる人ならざる異能力を手に入れた者達。例えば単純な『筋肉強化』や『俊敏強化』等の肉体に関係した能力に加え、『透視』や『未来予知』等と言った能力も存在することだろう。中には常人には考えつかないような風変わりな能力をもった者も居るかもしれない。異能力はその人間の基礎能力が高い者ほど弱い異能力が与えられ、基礎能力が低い者ほど強い異能力が与えられるという特性を持っている為、断罪人を総合して見れば能力値にさほど違いはないようだ。
>1 注意事項 募集キャラ+a
>2 pfテンプレ
レス禁